「うん……いや、オレの方こそごめん」



短い沈黙に小さな罪悪感が胸をよぎる。

まるで子犬を叱ってるみたい。



でも、ダメなものはダメなんだと、ここでしっかりラインを引いておかなきゃいけない。



「先輩」



少しだけ強めた口調で呼ぶと、サクヤ先輩は微かに潤んだ目をこちらに向けた。



「うん?」