*嘘月とオオカミ先輩*




数秒ほどそのまま時が流れ、気持ちが落ち着いたのか、月島がぼそりと呟く。



「…先輩、もう大丈夫なんで、放してください」


「うん。……んー……やだ」



月島の匂いを感じながら、子供のようにごねる。


と、彼女は焦ったように声を尖らせた。