*嘘月とオオカミ先輩*




「な、ど、どうしたハルカちゃん!?」


声をかけると、しゃがみこんで小さく震えていた月島は、おそるおそる人差し指で傍らに群生している雑草を指差した。

その瞬間、小さな影がぴょんと草の間から飛び出す。



「お、カエル」


「ああ! そ、そんなの拾わないでください!」



それは緑が色鮮やかな、オレの親指ほどしかないアマガエルだった。


月島に止められて、伸ばしかけた手を引っ込める。