どうやらサクヤ先輩はあたしを心配して付いてきてくれたらしい。

照れ隠しに『お月見』なんてわざわざ寝転んだポーズとっちゃって。

蛾が恐いくせに。



「ありがとうございます、先輩」



そう言うと、



「え? いや……」



先輩は照れたようにそっぽを向いた。

暗がりでもその耳が赤いのが分かる。


先輩は照れ屋だ。



そして、凄く優しい。