打ち上げの帰り道。 空高くに輝く月は、澄んだ空気の中でその輪郭をはっきり映し出してる。 湿度が下がり、乾いた風が舞う季節。 まだ凍えるほどの寒さでもないのに、オレは温もりを求めるフリをして月島の手を掴んだ。 隣を歩きながら、彼女は何も言わずに、オレが求めるまま大人しく指を絡ませる。 帰り道の月島は無口だ。 いつものことだけれど。 きっと、オレが妬いてるなんて気付いてもいない。