*嘘月とオオカミ先輩*




「ほれほれ、みんなサクヤの話を聞きたがってんだから。ツッキーの可愛さが分からない美人彼女持ちは行った行った」


そんな言葉にオレは声を失う。

傍らの月島がわずかに眉尻を下げたのがわかった。


不思議そうな顔をしている彼女に、三條が喜色満面で説明を始める。


「いやー、ほら、サクヤって美人の彼女、あ、もう元カノか。のせいで目が肥えちゃってんじゃん? だからツッキーの良さが分かんないらしくてさー。オレが可愛いっつてんのに否定すんだよ」

「……」

「あ、オレはめっちゃツッキーのことタイプなんだけどさ」



三條コロス……。



オレをダシに月島に好印象を植えつけようとしている長髪男を死ぬほど睨みつけていると、月島が思いがけない言葉を放った。