＊嘘月とオオカミ先輩＊

本当に好きだ。



この子のこういうところも。




普通なら堅過ぎると思われるような真面目な部分も、全部。




「ハルカちゃん、やっぱさ、みんなに公表しない？　付き合ってること」



公表することで他の連中を牽制しておかないとオレは不安でしょうがない。


本音は口にしないまま提案すると、月島は怪訝そうにオレを見つめた。



「だから、あんな始まり方で……。いつから付き合ってるのかとか、聞かれたら困るじゃないですか。先輩には今も彼女いることになってるんだし」



不安げな彼女にオレは笑ってみせる。