*嘘月とオオカミ先輩*



「このコ、凄く可愛くないですか」


それは花や鞠なんかの和模様が散りばめられた小さなクマのぬいぐるみだった。


「おー、ほんとだ」


同調すると、月島の普段きりりとした切れ長の目が嬉しそうに緩む。


月島は和柄の雑貨が大好きだ。

ということは、付き合ってから知った。


好きなものに触れているときの月島がまた可愛らしくて、オレはつい口を滑らせてしまう。