*嘘月とオオカミ先輩*


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そもそも、オレ達がなぜ付き合いを隠してるかというと――





「先輩はすぐ顔に出るじゃないですか」


月島は棚に並んだ小物に目をやりながらそう言葉を落とす。


「周りにいろいろ聞かれたら面倒ですし。いつから付き合ってんだとか、元カノはどうしたんだとか」


休日の雑貨屋は、ほどよく賑わっていた。
真剣な表情で雑貨を選んでいる月島の隣に立ち、適当に店内を見回す。


「ほら、先輩ていじられキャラだから、根掘り葉掘り聞き出されて、からかわれてもイヤだし……あ、」


不意に言葉を切り、月島は展示されていた人形を手に取ってオレに見せた。