「あ、そろそろ休憩終わんじゃね? 戻んないと」 先輩はナイター用の照明が輝くコートの方を見やった。 ていうか、先輩はずっとここでサボってたんじゃ……。 と思いながらハッとする。 「あ、あたしボール探さないと。先輩先に戻ってください」 周囲の暗がりに目を向けようとした瞬間、 「はい」 視界を遮るように先輩の手が突き出された。