「こんなにオレのことが好きなのに、カラダだけでいいです、なんて」



思い出したように笑いながら、先輩が顔を覗き込んできた。

恋愛初心者なのに大それた嘘を吐いたことを思い出し、あたしの顔は恥ずかしさに熱くなる。


でも、



「先輩だって、嘘つきです」



本当は彼女と別れてた、なんて――



先輩の目をまっすぐ見上げながら言うと、そのまま顔が近づいてきた。

その唇が優しく言葉を零す。