*嘘月とオオカミ先輩*




「ちょ、待った。じゃあ何? ツッキーはヤッてる最中にオレが彼女の名前を呼んだと思ったから、終わりにしようなんて言い出したの?」

「……」



先輩の開き直ったような喋り方に、心臓が早くなる。



「それって、オレに彼女がいるのが嫌だったってことだよね」

「……」

「それって、本当はオレのことを――」



何も言い返せない。


嘘に包んで隠してた気持ちが、どんどん露わにされていく。


まるで剥き出しの裸を見られているような羞恥の念に囚われる。


熱くなる頬を隠すように俯くと、先輩の壊れたような声が耳に響いた。