*嘘月とオオカミ先輩*



怒ったような表情だった先輩の顔が、一転して驚きの表情に変わる。



「は……るか?」

「ハルカです。月島悠(つきしま はるか)」



しゃがみこんだまま震える指であたしを指し示し、先輩は確認するように声を出した。



「……ハルカちゃん?」

「はい。ハルカです」



「……」

「……」



しばしの沈黙が薄明かりの公園を覆う。