「な……」
大好きな先輩が、目の前で彼女の浮気に苦しんでるのがたまらなくて、初心者のくせにあたしから誘ってしまったあの日。
それはもう２ヶ月以上も前の話だ。
「だって、先輩は……いっつも彼女の話してたじゃないですか。打ち上げのときだって――」
「だからそれは！……口実っつーか」
「……口実？」
「体だけの楽な関係がいいっつってたから、彼女いることにしといた方が、ツッキーと一緒にいられんのかと思って」
嘘をついていた。
サークルのみんなにまで。
そう言って顔を歪め、先輩は苦しそうにあたしを見る。
「ツッキーは男と本気で付き合うのが、嫌なのかと思ってたから――」
