*嘘月とオオカミ先輩*




「え……?」



話が呑み込めない。

苦しげに言葉を紡ぐ先輩の唇を、ただ見つめてしまう。



「あの日ツッキーと別れた後、車で彼女に会いに行って……ちゃんと話してきた」



浮気の証拠写真を見せて、もう無理だから別れようと。


先輩は彼女にハッキリ伝えたらしい。



「泣かれたけど、もう気持ちはとっくに冷めてたって気付いたから。きっぱり別れたよ」



あたしの目をまっすぐ見て、



「ツッキーが……気付かせてくれたから」




先輩が言葉を放つ。