*嘘月とオオカミ先輩*





心臓が、痛いほど脈打つ。



な……



まっすぐ注がれる切なげな瞳を、じっと見返す。



「何、言ってんですか……。先輩には彼女が――」

「んなの、もうとっくに別れてる!」



「……はい?」



先輩の言葉はすぐ暗闇に吸収されて、あたしはその意味を図りかねた。


そして落とされるのは衝撃の言葉。



「ツッキーと、最初に……関係持った、その日に、あいつとは別れた」