*嘘月とオオカミ先輩*




眉間に深く刻まれた皺。

苦しげな表情。



「先輩、どうし――」

「どーゆーことだよ!」



あたしの声を遮って、先輩はいきなり声を荒げた。

唐突に憤りをぶつけられて、あたしはわけがわからないまま正面の顔を見上げる。



「な、何がですか……?」



なんでそんなに怒ってるの。

サークルを休んだことがそんなにいけなかったのかな。



なんて思ってると、先輩は凛々しい眉を歪めて子犬みたいな目であたしを見た。