*嘘月とオオカミ先輩*




なに……これ。


どうなってるの。




わけがわからないまま、ただ前を走る先輩の背中を見つめる。


走ってるせいかなんなのか、心臓がバクバク脈打っていて、


掴まれた腕が、熱い――





しばらく走って、先輩は小さな公園に足を踏み入れた。


1つだけある外灯が、眠ったように沈黙してるブランコを優しく照らし出してる。

その前までくると、先輩はあたしの方に向き直った。