あたし達の存在に気付いて、ゆっくり近づいてくるその人。 その足の運びに合わせるように心臓が大きく揺れ動く。 そして、外灯の下に晒される愛しい姿。 あたしの心をいつまでも占領してやまない―― 「ツッキー」 サクヤ先輩の声に、全身が震えてしまった。 「先、輩……どうして、ここに?」 しぼり出したあたしの言葉に、先輩は目線を落として答える。