先輩、寝ぼけて付けちゃったんだ……。 襟ぐりを少し上げて強引にそれを隠してると、隣から溜息が聞こえた。 「ハルカ、もしかして……まだ先輩と……?」 「……」 エリの整えられた眉が、まるで磁石に引きつけられるように眉間に寄る。 「やめなって言ってんのに……。不毛だよ? そんな関係」 「うん……」 分かってる。 分かってはいるんだけど……。