恐怖短編集

私はナイフを持ったまま真美に向き直る。



小さな恭子が、私の目にハッキリとうつる。


「まま?」


不安そうな恭子の表情。


私はナイフを捨て、近くにあった鉄のパイプを手に持った。


こんなに小さな恭子なら、これだけで十分だ。


「ままっ!」


鉄パイプを振り下ろす瞬間、その顔が恐怖にゆがむ娘の顔になり、グシャッという音がした後、その顔もどこかへ消えた……。


十七時四十五分。