暗い部屋の中、私は膝を抱えてうずくまっていた。



目の間からウジ虫が出入りする感覚を覚えながら、私はそっと瞳を閉じた……。


その時、突然ドアが開き、眩しい光が私を照らし出した。


目を開けると、そこには母親の姿。


両手には大量の袋を持っていて、激しく息を切らしている。


「もう大丈夫よ! 死ななくてすむの」


そう言いながら、私にかけよる母親。


私は心の中で眉をよせる。


顔の筋肉も、今ではすでに使い物にならなくなっていたから。


「ようやくあの占い師に会えたの! それで、今までの倍薬を飲めば大丈夫だって言うのよ!」


興奮気味に言いながら、ガサガサと袋の中をかき回す。


その時、私の左目がドロッと外に飛びでて、ぽっかり明いた穴にハエが止まった。