恐怖短編集

卒業して半年。


相変わらず、私は母親の言うとおりに行動していた。


昔から変わった事と言えば、母親がいう事はすべて占い師の言った事だという事。


すでに、母親の私をモデルにする、という気持ちは消えていて、一日一日を占いに頼って生きなければならない生活。


時々会いにきてくれていた父親も、今では再婚して家庭を持っている。


私も一回その家族にあったことがあるが、なんて幸せな家庭なんだろうと、羨ましく思った。


けれど、今の私はそのキラキラした家庭の作り方さえわからない。


「大丈夫、お前はいい子だから」


と、父親はそんな私の気持ちを察して、昔と同じように頭を撫でてくれた。


私にとって、一ヶ月に数回の父親と会える日が唯一の楽しみだった。


小学校の頃私としたあの約束のために、今家族の説得を頑張ってくれているらしい。