恐怖短編集

18歳になる頃、私は母親は病気なのだと理解し、このままずっと一緒にいる事を決めた。


赤い薬は舌の上でコロコロ転がせば、少しの間甘い砂糖のコーティングを楽しめた。


そして、すぐにやってくる苦い味。


その苦さをずっと舌の上に置きながら、私は母親の寝顔を見つめていた。



「逃げないから、大丈夫だから」



と言いながら……。