恐怖短編集

「こっちから誰かに電話してみろよ」


「電話? 誰に?」


眉をよせる私に、「誰でもいいから!」とアリサはまた怒鳴る。


それに驚き、私はアリサの顔を唖然として見つめた。今日のアリサはおかしい。


普通じゃない。


「……ゴメン。鈴友達が少ないんだな。だから連絡が来ないんだ」


そう言い、アリサは乾いた笑い声を上げた。


「そうだね」


私はただ頷き、携帯画面を見つめていた。