恐怖短編集

少々無理をしてアリサと自分に言い聞かせる。


それよりもさっきの白い男はいったい何者?



すると、アリサは強く身震いをすると、私の手をつかんで走り出した。



突然のことで私はこけそうになる。



なんとかバランスを保ち、必死について走る。


アリサの手から微かな振るえとにじみ出る汗が、痛いほどに伝わってきた。


無言のまま走り続けるアリサに、私は付いていくので精一杯だった。


呼吸がくるしく、喉が渇く。



「アリサ、止まってよ。どうしたの」



とうとう限界が来て、前を走るアリサへ叫ぶ。


それと同時に足のスピードをゆるめ、もう走れない、とアピールした。



ちょうど小さな公園が目の前に見えて、そこでアリサも足を止めた。