恐怖短編集

「アリサぁ?」


すぐに飽きるからどこかへ行ってしまったのだろうか?


そう思い、私は広いグラウンドの方へ出た。


けれど、そこには誰もいない。今度は体育館の裏手へ回ってみる。


古い倉庫が寂しく建っているその場所にアリサがいた。


「ちょっと、何してるの?」


声をかけて、近づこうとしたとき、アリサの前に誰かが立っているのが見えた。


真っ白なマントのような服を頭から着ていて、顔はよく見えない。


「アリサ、誰それ?」


少し大きな声で言うと、その白い男は私に気付き、その場から逃げ出した。


え?


まさか、本当のチカン?