恐怖短編集

「なにこれ」


「わかんないよ」


すっからかんの教室で、しばらくの間立ち尽くす私たち。そのままの状態で数分間経過した時、微かに外からか声が聞こえてきた。


アリサが窓に駆け寄り、下を覗き込む。


丁度グラウンドの向こうにある体育館が見える。



「なんだ、みんな体育館じゃん」


アリサの言葉に、私は思わず笑い出した。


「みんないなくなっちゃたぁ、とか一瞬でも思ったし!」


「バカじゃん、マンガの見すぎなんだよ」


「それはアリサの方でしょ」