恐怖短編集

少し歩いたところで、ビンに立っている花をみつけた。


二つの牛乳ビンに花が一本づつさしてある。


誰かのいたずらだろうか?



「これいいじゃん!」


それに目をつけたアリサがビンを手に取り「これ、ヤツの机に飾ってやろうぜ!」とピョンピョン飛び跳ねる。


まるで幼稚園児のようだ。


「いいねぇ。葬式ごっこ?」


「チーンってか!」


大口を開けて笑うアリサに私もつられて笑う。


高校三年の夏がこれでいいのかと思うが、これからのことなんて考えてもいない。


今が楽しければいいのだ。


だから私はアリサのご機嫌を伺うのだ。


自分がイジメのターゲットにさえされなければ、そこそこ楽しい学校生活が送れるのだから。