恐怖短編集

「お前はもしかして……」


男の前方に、鉄の観音開きの扉が見えてくる。


あの扉が、きっと外へと繋がっているのだ。


「勇太……」


男に聞こえるかどうかの小声で、洋太はそう言った。


男が驚いたように目を見開き、振り返る。


その、瞬間だった。


狭い廊下に一杯の光が入り込み、それと同時に、バンッ!と凄まじい爆発のような音がした。