恐怖短編集

「パパ、待ってよ」


小さな勇太が、洋太の右手をしっかりと握り締め、左手を妻が握った。


広い野原を三人が並んで歩く。


夕焼けの空が真っ赤に染まり……、目が、覚めた。


夢とはかけ離れたこの現実に、洋太は大きなため息を漏らした。


狭い箱の中で眠る事に慣れ初めていたが、相変わらず体中の痛みは激しい。


骨がきしむのを感じながら、洋太は起き上がり、首を回した。


「パパか……」