恐怖短編集

☆  ☆  ☆

夢を見ていた。


遠い遠い昔の、夢。


幸せだったあの頃の夢。


広い野原に、妻と小さな男の子が手を繋いで歩いている。


黄色いタンポポが咲くこの野原は、よく覚えていた。


「勇太、行くぞ」


その男の子へ、声をかける。


徳田勇太。


そう、これは洋太の息子だ。