恐怖短編集

男が忘れて行った……。


いや、きっと故意に置いて行った、あの赤いスイッチを。


柵の隙間から手を伸ばせば、届く位置にある。


まるで、計算されているようにその場所にポツンと、私と共に置き去りにされた。


体中の水分が抜け切るほどの汗を流し、今はもうその汗もでなくなった。


男がいなくなって何時間……?


何日?


何週間?


そんなことも、解からない。


ある日、ついに私は赤いボタンに手を伸ばした。



よくよく見ると、ボタンに横には電流の強さを調節する小さなスイッチもついている。