恐怖短編集

柵の向こうの男は軽く口元だけで笑い、ポケットから赤いボタンを取り出したかと思うと、それを押した。


「キャァッ!」


叫び声を上げ、飛び跳ねるようにして柵から手を離した。


両手がビリビリと痺れ、痙攣する。


電流を流された私は、信じられない面持ちで目の前の男を見つめた。


「話を聞け」


私のおびえるような表情に満足した男が、ゆっくりと口を開いた……。