恐怖短編集

「まさか……」


小さな箱。天井一面の穴。模様のように無数に……。


さっきの話の箱と同じ……?


その考えを遮断するように、洋太は強く首を振って頭から吹き飛ばした。


バカな。


そんなことが実際にある筈がない。


嘘だ。


あの男の話はすべて作り話だ。


頭の中でそう繰り返し、自分に思い込ませる。


けれど、結局天井のその模様に触れることは、できなかった……。