恐怖短編集

「う……うう!!」


しずくが体に落ちるたびに、男は大きな悲鳴を上げて、魚のように体をビクビクとはじけさせた。



水滴の落ちた右目は、表面の薄い皮膚がロウソクのように溶けて、溶けた場所から白目が覗いている。


そこから流れ出る赤い血は左目に入り、男の両目とも機能を果たさなくなった。


痛みと恐怖から、男の心拍数は跳ね上がる。



「あ……あぁぁ! 誰か!誰か助けてくれ!!」