恐怖短編集

「気をつけろ。この鉄格子には電流も流れるようになっている」


男は何食わぬ顔でそう言い、迷彩服のポケットから赤色の小さなボタンを取り出して見せた。


きっと、電流を流すボタンだ。


「さぁ、話をしてやろう……」


それは、洋太と同じで帰る場所のない男の話だった――。