恐怖短編集

黒マスクから見える目が、微かにゆがんだ。


笑ったのだ。


「これからお前に、ある話を聞かせてやる」


低い、男の鼻声が聞こえてきた。


洋太の緊張はピークに達して、背筋に冷や汗が流れる。


「は……話!?」


声が、見事に裏返った。


「あぁ。今日から六日間、ある人間たちの出来事を聞かせてやる」


「六日間? 六日も、俺をこのままにしておくつもりか」