恐怖短編集

死にかけた体に、生命力が湧き上がってくる。


それと同時に、なさけなさがこみ上げてきて、涙が出た。


なんでこんな人間になったんだ。


どこで道を間違えたんだ。


こんなハズじゃなかった。


「ところでおっさん、ちょっと俺についてきてくれないか」


おにぎりを食べ終え、お茶を一気飲みする洋太に男がそう言い、立ち上がった。


さっさと洋太に背を向けて、歩き出す。


付いていくべきか?


判断に迷い、その場に突っ立っていると、男が一度振り向き、手招きをした。


それに導かれるようにして、男の後を追ったのだった……。