恐怖短編集

「やめて! 花なんか咲かせないで!」


必死になってつぼみを千切るが、つぼみは次から次へと出てきて、どんどん成長していく。


それは、顔だけではなく、彼の両手にも現れた。


そして、彼の口元にひとつのピンク色の花が咲いた。


それを合図にしたかのように、次々とつぼみが開花していく。


子供の手のひらほどの花が、彼の顔、両手を埋め尽くす。