恐怖短編集

その場所だけではない、ポツポツ、ポツポツと顔中につぼみが出来ていく。


最初はニキビほどの大きさだったつぼみは、見る見る内に大きくなり、彼の顔を掻き消していく。


「やめて、やめてよ!」


彼の顔が見られなくなる恐怖から、栞が両手でつぼみを引きちぎっていく。


千切れた場所からは、トプッと透明な液体が流れ出した。