恐怖短編集

けれど、店員はそれで引き下がるハズもなく、結局一哉は押し切られてしまった。


店員が店の奥から持ってきたのは、大きな鉢に植えられた、20センチほどの《人草花》。


まだつぼみもつけておらず、その姿は雑草に近い。


「必ず、説明書は読んでくださいね。それから、表に飾っている《人草花》ほどの大きさにはなるので、広い場所に置いてあげてください」


女性店員の笑顔が、一哉には悪魔の笑顔に見えた。


そして、夕方になると一哉はそれをゴミ捨て場へと捨てたのだった……。