恐怖短編集

一哉は慌てて


「いえ、女子高生の間でそういう噂があるみたいで」


と付け足した。


「さぁ、そんな話は聞いたことないけれど……。試しに育ててみたらいかがですか?」


これはチャンスだというように、女性店員が《人草花》を一哉へ進めてきた。


その変わった花に興味を持っていたことは確かだけれど、買うとなると話は別だ。


だいたい花を育てた経験などない。