恐怖短編集

身長が2メートルもありそうなその花は、まるで空へ向けて両手を伸ばしている人間のようにも見える。


そして、人間で言えば手にあたる部分と顔にあたる部分に、ピンク色の大きな花をいくつも咲かせていた。


「いらっしゃいませ」


立ち止まって見ている一哉に、エプロン姿の店の女が話しかけてきた。


「この花、ご存知ないですか?」