恐怖短編集

「ありがとう、栞。これで首が楽になったよ」


そう言う一哉は、額から頭にかけてがグチャグチャに潰れ、原型をとどめていなかった。


顔も、両目がほとんど潰れてしまい、頭から一番遠い口元だけが元の姿のまま存在している。


潰れた部分から大量の液体が流れ出し、それが床を濡らしていく。


けれど、栞は放心状態のまま動けない。