恐怖短編集

☆ ☆ ☆

栞がその場へ座り込み、肩で息をしている。


右手には、さっきまで使っていたカナヅチが力なく握られていて、その瞳は放心状態で宙を見つめる。


そして、その横には……。


体を棒に巻きつけ、右手をテレビに巻きつけ、左手はだらしなく垂れ下がった状態の、一哉。


その頭は五寸釘で完全に壁と固定され、ピクリとも動かない。