フツフツと何かが沸き上がってくる。

この気持ちはなんだろう?…………。



(片付けくらい自分でしろよ!!)

もちろん怒り、だ。

意味わかんないし。第一なに?部屋の片付けしにこいって。
お前のあのゴミ溜めみたいに汚かった部屋を
あそこまで綺麗にしてやったのはどこの誰様だと思ってんだ?


この宮本眞咲様だっつーの!

それをちょっと書類ぶち撒けただけだってのに
どんなけ根に持ってんだよ!!


「絶っ対行きませんからね、あたし!!」

「へぇ………」


沖田が目を細めてフッと笑う。寒い。


「あたしもう帰りますんで。あなた方に着いてく理由はありません」

「理由がない?よく言いますね。不逞浪士に追われていた貴女が怪しまれないとでも?」

「巻き込まれただけなんですけど」

「誰が信じますか?それに、第一……」


沖田はあたしを馬鹿にしたように目を細めると、口許を歪めた。



────貴女に帰る家があるんですか?