「おい、大丈「もう何なわけ、意味わかんない。すっごい寒いんですけど」



息が上がっているのにコイツを心配する俺の言葉を遮ってスラスラと喋りだした。




「はぁ、着物もびしょびしょだし……。
    あ、お兄さん居たんだ。」



「お前、良かったのかよ。あんだけ言わせといて。」




「やだなぁ、聞いてたの?悪趣味。それに言い返せないし」




「は?なんでだよ」



うーんと頭をひねったあげく「いいよ、お兄さんいい人そうだし」と簡単に答えを出した。



「私さ、2日前に両親が死んだんだ。馬に弾かれて即死。
でも本当の両親じゃないんだ。本当の親も見たことないけど。
で、その引き取ってくれた叔父さん叔母さんが最悪でさ、私に暴力振るうんだよね。
その傷に気づいた元友達が私のこと不幸な子ってさっきみたいな嫌がらせするんだ」