走っていつもの場所に着くともう歳三はいた。 「今日は遅いな、何かあったのか」 上がった息を落ち着かせ歳三の顔を見た。 「私ね、藤井様のところに嫁ぐみたい」 「は……笑えねぇ冗談はやめろよ」 「冗談じゃないよ。日が暮れたら引っ越すんだ。 あ、もちろん私だけね。叔母さん達は来ないよ」 だから…ね 「もう会えないんだ」