『僕を見て、白夜。』 妖艶な声が、僕の耳に届く。 ハッとして、僕は彼へと目を向けた。 『いい子だ。』 言うと、緑は視線を落として手を小さく動かし始めた。 シャッシャッという、乾いた音が聞こえる。 どうやら、緑は僕を描いているらしかった。 ときどき僕を見ては、またすぐにスケッチブックへと視線を落とす。 そんな彼を、僕はぼんやりと見ていた。